携帯電話機のカラー液晶画面の鮮明化に伴い、各社の“カラー”も色分けが進んでいる。
次の2ケースについて試算を行った。
ケース1は各社のARPUが2003年度から徐々に下げ止まるケース、ケース2は各社のARPUが2003年度以降も毎年前年比−3%で下落し続けるケース。
電気通信事業収入の試算結果は、ケース1の場合2008年度末まで微増し続けるが、ケース2の場合は2006年度がピークとなる。
現実にはこれらの2ケースの間に落ち着くと考えられ、いずれにせよ電気通信事業収入は頭打ちとなる。
auでは、cdmaOneユーザーの1xへの巻き取りが順調に進んでおり、2002年度末で約半数が1x契約となった。
このペースが続けば、数年内にほぼすべてのユーザーを1xに巻き取ることができるだろう。
同時に、トヨタ車やパイオニアのカーナビケーションへの1xの組み込みが進むなど、MtoM市場においても、アドバンテージを築きつつある。
さらに注目されるのは2003年11月末に市場投入予定のEV-DOである。
料金設定次第では非常に強い競争力をもちうるサービスであり、NTTドコモから“イノベーター層”の奪回を狙う。
J-フォン(現ボーダフォン)は、「写メール」、QVGA液晶端末、QRコードリーダー搭載など、つねに市場トレンドを作り出しており、限られた経営資源にマーケティングというスパイスをふりかけ、うまくレバレッジを効かすことに成功している。
特に、PDAとほぼ同等の表現能力をもつQVGA液晶の登場は、携帯電話の可能性を大きく引き出した。
また、プリペイド携帯電話「enjorno」の販売が好調である。
携帯電話事業はネットワークビジネスであるかぎり、シェアが収益に大きく寄与する。
調達価格の安い端末で販売インセンティブを低く抑えながら契約数を増やすことは、自社網内トラフィックの上昇につながり、収益をもたらす。
2台目需要やギフト市場の喚起も期待される。
2003年度中には、同社の3Gのサービスエリアが2Gとほぼ同等になる予定であり、「VGS(VodafoneGlobalStandard)」対応のGSM−WCDMAデュアル端末の投入により、海外にそのまま端末をもち出して、日本へ「写メール」を送ることができるようになるなど、NTTドコモから、海外出張の多いビジネスマンや海外旅行に頻繁に出かけるユーザーの奪回を狙う。
このような競合他社の戦略に対して、NTTドコモは、FOMAのエリアの広さと深さ、および端末の大きさやバッテリーもち時間などの基本スペックが2Gと同等以上になる2004年の春ごろまでは、au,およびJ-フォン(現ボーダフォン)にコア・ユーザーを奪われないよう、死守しなければならない。
PHS定額制サービス「@FreeD」やPDC−WCDMAデュアル端末の投入、赤外線・非接触ICカードなどの搭載によるリアルワールドとの連携など、足場固めは着実に進行している。
2005年初頭にはHSDPAというW−CDMAの高速版の発表も予定されている。
同時に、MtoMなど非携帯電話端末による新しいビジネス創造にも多くの経営資源を振り向けるなど、死角はないように見える。
<新しいコミュニケーションスタイルの確立による音声トラフィックの向上>電気通信事業収入が頭打ち、即、新しいビジネス創造、という図式は間違いではないが、携帯電話は所詮コミュニケーションツール。
iモードブームもiモードメールが陰の主役であったし、「写メール」しかり、「動画メール」しかり。
メールの利用によって音声トラフィックが奪われるという事態も落ち着きつつある。
今後いかに携帯電話が高機能化しても、コミュニケーションが主軸であることに変わりはない。
テレビ電話を含めた音声トラフィックを高めることに経営資源を割くことが、収入拡大への最短距離と考える。
たとえば、まわりの騒音がうるさくて相手の声がよく聞こえないため、早々に通話を切り上げるということはないだろうか。
テレビ電話がかかってきても、まわりに人がいるような状況なのでスピーカーフォンで話すことがはばかられるということはないだろうか。
こういったトラフィックの損失は、イヤフォンマイクを利用することで大部分補える可能性がある。
また、W−CDMAの「マルチアクセス機能」は、音声とデータの同時利用を可能とすることから、携帯電話で話しながら、メールを読む、写真を撮って送る、Web画面を検索する、会社のイントラネットへリモートアクセスすることなどが可能となり、「ながら」利用による音声トラフィックの上昇が期待できる。
Bluetooth対応のワイヤレスヘッドセットを使ったコミュニケーションスタイルの確立が期待される。
<クロスメディアが市場を牽引する>2003年6月の経済産業省、ECOM(電子商取引推進協議会)、N研究所の共同調査によると、わが国のモバイルコマース市場は、2001年の1200億円から2002年には約3200億円と、大幅に拡大した(平成13年度電子商取引に関する市場規模・実態調査報告書)。
その背景には、インターネット対応の携帯電話ユーザーの増加に加え、大手通信販売会社のカタログや女性ファッション誌の携帯電話への対応、テレビ番組と連動した携帯電話のサイトの登場といった、クロスメデイアによる利用形態の多様化があった。
現時点の雑誌との連携方法は、単に雑誌に記載されているURLを打ち込むタイプや、メールを打つとURLが埋め込まれたメールが返送されてくるタイプが主流であるが、一部、バーコードやQRコードを携帯電話のカメラで撮影することにより、ワンタッチで目的のサイトへ飛ぶサービスも始まっている。
将来的には、雑誌や新聞の記事、車内の吊り広告などに埋め込まれたRFIDタグを、携帯電話に搭載されたタグリーダーでスキャンすることにより、より簡単にモバイル・コマースが可能となるであろう。
また、2004年に予定されている地上デジタル放送との連動によって、ショッピングチャンネルはもとより、クイズ番組に携帯電話からリアルタイムに参加したり、トレンデイドラマの登場人物が身に付けているアクセサリーをその場で購入するなど、いわゆるT−コマース市場が拡大するであろう。
携帯電話の液晶がいくら大型化し、通信速度が高速化しても、紙媒体の手軽さや、テレビの圧倒的な情報量には及ばない。
双方のメディアの長所をうまく融合させることで、新たな付加価値の創造が期待される。
lP電話加入者数は、2002年度末の約200万加入から、年平均成長率約30%で増加し、2008年度末には約1090万加入と予測される。
内訳を見ると、Phoneto市場の定義ここでのIP電話加入者数はコンシューマー向け市場を対象としている。
また、IP電話の形態をPhonetoPhone型とPCtoPC(Phone)型の2つに分けて、加入者数予測を行っている。
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